賃貸物件を契約する際、家賃だけでなく敷金・礼金や仲介手数料などが必要となります。「仲介手数料無料」の物件は初期費用を抑えたい人にとって、たいへん魅力的です。一方で仲介手数料がなぜ無料になるのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、仲介手数料の実態と無料にできる仕組みについて解説します。賃貸物件を選ぶ際の重要なポイントが理解できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
賃貸物件を借りる際に「仲介手数料がかかる」と聞いたことがあるのではないでしょうか?ここでは「仲介手数料」の上限や金額の目安について解説します。
仲介手数料とは、賃貸物件の契約成立時に不動産会社が受け取る対価です。以下の内容で、賃貸契約に至るまでの一連のサービスに対して支払われます。
不動産会社は専門的な知識を持つ国家資格者をおき、賃貸契約がスムーズに締結できるようサポートします。仲介手数料は契約が成立した場合にのみ発生し、不成立の場合は支払う必要はありません。
普通は契約が決まった後に支払われるものですが、契約の内容によってはタイミングが前後することがあります。仲介手数料は賃貸契約におけるサービスの対価ですが、不動産会社に支払う成功報酬の側面もあります。
賃貸物件を借りるときの仲介手数料の上限は、宅建業法第46条と国交省の通達によって決められています。不動産会社が賃貸契約の仲介で受け取れる最大金額は「家賃1ヶ月分+消費税」です。たとえば月額家賃が10万円の物件では、仲介手数料の上限は「10万円+消費税」で合計11万円となります。
このルールは借主を守るためにあり、不動産会社は規定の範囲内でしか仲介手数料を設定できないため過剰な金額を請求できません。また、全国どこでも同じルールが適用されるので地域による差もありません。そのため借主は不当な手数料を請求される心配がなく、安心して不動産会社と契約を進められます。
不動産会社によって違いはありますが、一般的には上限である「家賃1ヶ月分+消費税」が相場とされています。一般財団法人土地総合研究所の「2016年冬号研究ノート 賃貸仲介手数料率の度数分布」によると、仲介手数料を「家賃1ヶ月分+消費税」で設定している不動産会社は約36.0%です。
しかし法律で決められた金額はあくまで上限であるため、物件や契約条件によっては仲介手数料が家賃の1ヶ月分より少なくなることもあります。
どうして仲介手数料が無料の物件があるのか、不思議に思う方がいるのではないでしょうか?ここでは、仲介手数料が無料になるからくりを3つ解説します。
賃貸物件の中には、大家さんのみが仲介手数料を負担しているケースがあります。とくに借主が見つかりにくい物件は、大家さんが仲介手数料を負担することで初期費用を下げています。
この方法は、新しい借主にとっては費用負担の軽減となり、大家さんにとっては家賃を減らすより利益が残せる選択肢です。仲介手数料は必ずしも契約の当事者双方が支払うとは決まっていないため、大家さんが負担しているケースがあります。
不動産会社が物件のオーナーである場合、仲介手数料が無料になります。なぜなら自社の物件を直接貸し出すため、仲介業務が発生しないからです。同様に、不動産会社が大家さんから物件を借り上げて転貸するサブリース契約も、仲介手数料は原則発生しません。
ただし、別の会社が仲介業者となっている場合は無料とならないことがあります。例えば、所有者である不動産会社の系列会社が仲介業務をおこなうケースです。
仲介手数料は貸主と借主をつなぐ仲介業務の対価ですが、貸主の不動産会社と直接契約する場合は発生しません。
不動産会社が広告費やテナント料などのコスト削減に努め、仲介手数料を無料にしているケースがあります。例えば、デジタルマーケティングを活用することで、従来の紙媒体や看板広告よりも広告費を大幅に削減するなどです。
さらにオンライン上での物件紹介や仮想内見を利用することで、物理的なテナントスペースが必要なくなり、コストを減らしているケースなどがあります。また、効率的な営業戦略による人件費の削減に取り組むことで、仲介手数料を無料にしている不動産会社もあります。
不動産会社は、販売経費や人件費などを削減し利益を確保するため、仲介手数料を無料にできるのです。
仲介手数料が無料の気になる物件をみつけても、あせって契約するのは禁物です。ここでは、賃貸物件を選ぶ際に注意して欲しい3つのポイントを紹介します。
賃貸物件を選ぶ際には、隠れたマイナス要素がないかを慎重にチェックしましょう。過度に割引されている物件では、金額を変更した理由があるかもしれません。
例えば設備が老朽化している物件は、生活していて不便に感じる場合があります。また、駅から遠い立地や周辺環境に問題がある物件も、入居者にとっては不利な条件になります。
このような物件は市場での競争力が低く、長期間空室が続くことが多いです。そのため、大家さんや不動産会社は仲介手数料を無料にすることで、借り主が見つかりやすくしています。
内見の時には、物件の状態や周辺環境を詳細にチェックしましょう。また、物件の評判や過去の入居者の口コミなどを確認することも、隠れたマイナス要素を見極めるのに役立ちます。
家賃や共益費が適正であるかを確認することも大切です。初期費用が安く設定されている物件では、その分が家賃や共益費に上乗せされている可能性があります。例えば、仲介手数料が無料の物件でも家賃が周辺相場より高く設定されている場合、長期的に見ると支出が大きくなる可能性があります。
また、貸主が仲介手数料を負担している物件では、その負担分が礼金や更新料などの他の費用に反映されることも。物件選びの際には他社の情報も探して、家賃や共益費を比較しましょう。比較することで物件の総コストを正確に把握し、適切な判断ができます。
スマイリースでは仲介手数料を他の価格に上乗せすることはなく、透明性の高い価格設定を心がけています。隠れたコストに惑わされることなく、安心して物件を選べます。
仲介手数料が無料の物件を選ぶ際には、他の名目で追加のコストが発生する可能性に注意が必要です。例えば「預り金」という名目で、別途費用が請求されるケースがあります。この預り金は敷金や礼金とは異なり、物件の維持管理や将来的な修繕のために設定されることが多いです。
また、以下のような費用が追加でかかるケースもあります。
これらの費用は物件の状態や契約条件によって異なり、場合によっては数万円に上ることもあります。借主はこれらの追加コストが適正であるかを慎重に確認し、必要に応じて不動産会社と交渉を行いましょう。
初期費用を抑えるためには、仲介手数料の他にもチェックしたい項目があります。ここでは、敷金・礼金やその他の費用について解説します。
賃貸物件の初期費用を抑えるためには、敷金や礼金が不要な物件を選ぶことが効果的です。敷金は通常、家賃の1~2ヶ月分が相場とされており、物件の状態を保持するための保証金として機能します。一方で礼金は家主への謝礼として支払われる費用で、これも家賃の1~2ヶ月分が一般的です。そのため家賃が高額な物件では、敷金・礼金も高くなることがあります。
最近では敷金や礼金が不要な物件が増えていて、初期費用を大幅に削減できます。敷金・礼金なしの物件は、とくに初めての一人暮らしや予算に限りがある場合にぴったりです。ただし、人気がないため敷金・礼金を不要にしている場合があるので、物件選びの際には慎重に確認しましょう。
賃貸物件を選ぶ際には、同じ物件でも不動産会社によって異なる金額設定がされていることがあります。とくに仲介手数料が無料または割引されている物件の場合、以下のような他の費用項目に差がある可能性が高いです。
物件によっては通常見られない費用が加算されることがあります。これらの費用は不動産会社によって異なるため、複数の会社で同じ物件の費用を比較しましょう。
また不動産会社によっては、カギの交換代金や室内消毒費などの追加費用が発生するケースがあります。これらの費用についても不動産会社間で比較し、削減できるか確認しましょう。
仲介手数料が無料の物件は、初期費用を抑える上でたいへん魅力的です。一方で無料になっている理由を確認し、物件の詳細をしっかりチェックしましょう。立地条件や設備面でマイナス要素がある可能性も考えて、物件選びの際には慎重に検討してください。
スマイリースでは、仲介手数料を収入源としていないため、大阪府下のほぼ全ての物件を仲介手数料0円で提供しています。お客様は安心して物件選びができ、初期費用を削減できます。賃貸物件の初期費用を抑えたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。